ツートンのヴィンテージ感のある“隠れ家”的オフィスと働き方

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株式会社ツートン(TWOTONE INC.)
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株式会社ツートン(TWOTONE INC.)

2010年4月にインタラクションデザイン出身のアートディレクター二名で設立されたデザインスタジオ 『株式会社ツートン』。アートディレクションとデザインを軸に、ウェブ、映像、グラフィック、広告など幅広い分野で活動しており、国際的な広告賞やデザイン賞を多数受賞。アートディレクション・デザインを通してクライアントの社会活動を支え貢献していくこと、そして今後活躍してゆく次世代のデザイナーを育てることを使命に、活動の場を広げている。直近では10月に行われた『TOKYO DESIGNERS WEEK』に出展し、ツートン初のインスタレーションアートを発表。“ツートンカラー”で社会に旋風を起こすデザインスタジオの制作現場に対するこだわりを、代表取締役 茂出木龍太氏より伺った。

なぜオフィス環境に投資したのか

2012年に現在の恵比寿へオフィス移転する前は、麻布十番にオフィスを構えていた同社。入居時はいわゆるOAフロアのごく一般的なオフィスだったため、床も剥がし、天井も抜いて全面的な改装に及ぶこととなった。そんな大掛かりな移転を行った同社の、オフィス環境整備に対する背景や想いを伺った。

茂出木氏:2010年に二人で始めたのですが、そのうちデザイナーも増えて場所が手狭になってきたんです。次はもう少し大きいオフィスで、いつでもご飯を食べられる場所がいいね、と。この会社を立ち上げる前にいた会社は竹芝にあって、ごはんを食べる場所に苦労したんです。そこでエリアを恵比寿、代官山に絞って不動産屋を探してたんですね。麻布十番も良かったんですけど、物件がなかなか見つからなかったんです。それにクライアントに来て頂くにも場所の説明が難しいし、タクシーでパッと場所を伝えて分かってもらえる場所がいいと思っていました。でも、一番はご飯です(笑)。また、デザイン業なので、時には作業時間が長くなることも止むを得ません。だからこそ、できるだけ居心地がよく、良いアイデアが浮かぶような環境にしたかったんです。そのために、設計をお願いしたハイヒュッテデザインの安井さんと、施工をお願いしたハジカミの谷脇さんには、「できる限りやってほしい」と全面的にお任せしました。

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オフィス環境変革後の変化や反響

麻布十番のオフィスから移転して2年が経過した。恵比寿にオフィスを構えた時期に、こぞって周辺に同じようなデザインスタジオが集まり始めたのが印象的だったという茂出木氏。立地や社内環境が変わったことで、社内外にどのような効果がもたらされたのだろうか。

茂出木氏:ツートンを二人で立ち上げてから、どのくらいの規模にしていこうかと悩んでいた時期もあったんですよ。二人がメインで、それをサポートするぐらいの規模でいいのかなって。でもそれだとできることも決まってきてしまうし、広げていくべきか否かと。先輩に相談に乗ってもらったりして広げようと決心。しばらくこの物件に構えるという前提で、できる限りデザインをお願いしますと安井くん、谷脇くんに頼んだんです。完成後、先輩やお世話になった方々をお呼びしてお披露目パーティーをしました。これから行くぞ!ということを皆さんに伝えたかったんです。何か面白いアイデアがここから上がってきそうだなということをオフィスに来てくれた方に感じてもらえたら・・・と思ったんですね。
以前、税理士の方が面白い表現をされていました。「医者とか弁護士がいい車に乗るのと似たようなものだよね」と。いい車は業務と直接関係がないようにも思えますが、人はそういったこだわりから感じられることは多く、プレゼンテーションのひとつになってると思います。
この場所がアクセスしやすいということもありますが、結構評判が良く、みんな行ってみたいと言ってくれるんです。日頃広告制作もやっているのですが、広告会社がいて、その上にクライアントがいて、という商流も少なくありません。この場合、大体ミーティングは広告会社の会議室で開かれるのが一般的、クライアントがデザイナーのオフィスに来ることは稀なのです。それが、「ツートンのオフィス面白いらしいじゃない!」と言ってクライアントさんと広告会社さんがいらして、ディスカッションしたりプレゼンをしたりするようになりました。お客様に来て頂くことも視野に入れて設計したので、とても嬉しい反響ですね。トイレも好評です。「飲み屋みたいだねー!」って言うお客さんもいますけどね(笑)。社員も家のように使ってますよ。居心地が良すぎたかなと、やや複雑な心境です(笑)。

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植物にも人にも優しいオフィス

今回、インテリアと家具のデザインを担当したハイヒュッテデザイン代表の安井氏と、施工を担当した株式会社Hajikami代表の谷脇氏は、元々茂出木氏と同じ大学の先輩後輩同士という関係性もあり、移転前のオフィスでもデザインや家具制作をお願いしたりと、お互いに仕事を振り合い、長年に渡り密に繋がってきたという。そんな、お互いのことを良く知る3人が創り上げた同社のオフィスとは。

茂出木氏:靴を脱いで上がりたいというのは、かなり最初の段階でお願いしましたね。前のオフィスはマンションだったので、日常的に靴を脱ぐことに慣れていて、その方が心地よく仕事ができたんじゃないでしょうか。話しながら二人のトーンでどのような雰囲気になるかはある程度把握できるので、むしろ好きにやってほしいと思っていたぐらいです。素材に関しても、古びていっても味が出て、感じが良いものがいいと話したと思います。
それから会議室と執務スペースを分けてほしいということもお願いしました。執務スペースが「作る場所」で、こちらの会議室が「物を考える場所」という緩いテーマはありましたね。二ヶ所とも別の意味で居心地が良いというか。加えて、二ヶ所に分けたいけれども密室にならないようにして、何となく見えるというか、気配を感じられるようにしてほしいとも伝えました。僕が普段している仕事はミーティング時間が物凄く長いんですよ。だいたい2~4時間というのが当たり前なので、終わりの方になってくると酸欠状態でフラフラになってしまうんですね。そういう状態だと議論も雑になりがちなので、そうならないように、閉鎖した環境ではなくしてほしいとお願いして、半個室のようにデザインしてもらいました。ここで行われているミーティングの雰囲気がスタッフに伝わる方が、結果的にその後の仕事のインプットが早くてうまくいくんです。
執務スペースは、前のオフィスがさほど広くなかったので、極力座れる場所が欲しいということは二人に伝えました。どうしてもデザインの作業はモニターをずっと見ながらになることが多いので、自席以外に座る場所がないことは避けてほしい、と。極力いいアイデアが浮かびやすくなるように、疲れにくい良いイスを選んでくれたり、ソファもうちの長身のデザイナーが寝られるぐらい大きいものを用意してくれたりと、すごく考えてくれました。ちなみにそのソファにはベッドのマットレスに使用されるポケットコイルが仕込まれていて、長く寝ていても腰が痛くならないそうです。
やっぱり疲れている時に無理やり作業していても効率は上がらないので、気分的にも体的にも負荷が少なくなるような「座る環境」を提案してくれたと思います。

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今後取り組みたいオフィス環境づくり

植物の蔓が伸びて呼吸をするように、オフィスという環境も少しずつ変容を遂げている。会社の成長と共にあるオフィス空間の成長の軸は、やはりそこにいる「人」以外にはない。呼吸するように拡張してゆく、同社のオフィス環境の今後とは。

茂出木氏:もう机が足りない状態なのですが、あくまでここは気に入っているのでこの場所は活かしつつ、近場で場所を探そうかと思っているところです。例えば、会議室の機能だけそっちに移すとか。いわゆる机上だけで済む仕事だけではなく、造作みたいなこともするので、ラボのようなものも必要になってきたんです。物理的な距離が離れてチームが分かれてしまうのではなく、ここをベースにしてちょっと大きい物を作る時にはラボに行く、という感じで使えたらと思っています。
ここを最初に借りた時には丁度下の階も空いていて、シェアで借りてしまおうかと二人(安井氏、谷脇氏)とも話してたんですよ。そうしたらカウンターを作って「スナック龍太」を作ろうなんて言い出して(笑)。とにかく、今後も「ツートンらしいオフィス」を追求していけたら、いいですね。

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Pick Up  “ここが、ツートンらしさ“

■進捗状況報告飲み会
普段、社員は皆それぞれに別のプロジェクトを進めているため、なかなか全てを把握できない時もあるそう。そうした時にはプロジェクトが終わったタイミングで飲みに行き、お互いの進捗状況を報告し合うのだとか。

■誕生日会
現在9名の社員で構成されているツートンは、ケーキを囲んで各メンバーの誕生日会をオフィスで行っているそうだ。各回ごとに撮影されるという仲睦まじい写真が、チームワークの良さを物語っている。それぞれ別のプロジェクトを抱えつつも、社内コミュニケーションは欠かさないというところが非常に同社らしい。

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Creator’s Eye  ハイヒュッテ デザイン(HAY hutte design) / 代表 安井 秀行氏 , 株式会社 Hajikami / 代表 谷脇 周平氏

安井氏:物件が決まってから、まず最初は大きな執務スペースと会議スペースを二つに分けようというところから始まりました。執務スペースの方は靴を脱いで使いたい、と言われて。大まかなテーマのようなものは茂出木さんから出してもらい、それに対してその雰囲気をどう表現しようかということを考えました。全面的に任せてくれたので、そういう意味ではプランニングはスムーズだったかなと思います。普段はHajikamiさんが設計と施工までを担当して、その中でうちが家具を担当することが多いので、いつもは設計段階で何となくの家具レイアウトを考えて一緒に相談しながら進めていくのですが、今回はうちの方でデザイン全体を見て、Hajikamiさんの方で施工と家具の選定をしてもらいました。
プランニングで悩んだのは、この部屋は空間が縦長なので、それを執務スペースと会議スペースという二つの機能にどう分けるかということでしたね。そこから始まり、結果的に廊下で繋ごうということになりました。
また、ここは男性スタッフが多いので、必然的に男っぽい雰囲気がいいかなということと、会議室をちょっと倉庫っぽい雰囲気にしようと。それでH鋼やスチールのフレームを使って、黒を基調にした粗い感じを残したのが会議室の空間です。会議室の机というのは痕が残るので、通常木の天板はあまり使われないのですが、これはワックスで仕上げているので、逆に痕が残りやすいんです。そこは使っているうちに風合いが出るよう、わざとそのように仕上げています。壁も塗りだけではなく、石などの自然素材を使っています。執務スペースはかなり長い間座って作業をするスタッフもいるので、家に帰りたくないぐらいに気持ちの良い空間にできたらいいんじゃないかという思いでした。デスクもオリジナルなのですが、袖机は一切いらないと言われたので、引き出しもなく、A4のファイルが入るボックスを袖に付けたのみの非常にシンプルなデザインです。

谷脇氏:僕と安井君はいつも一緒に仕事をしているので、大体意志の疎通は図りやすいですね。あまり悩まずに、今回このテイストでやるからと言われたら、口出しはしません。基本的に安井君の家具が好きなので。グリーンはいつも一緒に仕事をしている植木屋さんにお願いして選んでもらいました。最初の段階では、グリーンが上から垂れてきたらいいよねと話していたのですが、空気がどうしても流れづらいので、その辺りも考慮して選んでもらいましたね。緑があると、空間が全然違うんです。無理しても入れてほしいと頼みました(笑)。飲食店だと虫の問題などがあるのでどうしてもフェイクになりがちですが、できるだけそれはやりたくないんです。空気さえ循環していれば植物はどうにかなるんですよ。ファンがあると全然空気の流れが違うので、ここもそうして空気を循環させています。植物にも人にも優しいオフィスですね。
トイレも好評のようで、嬉しいですね。もしかしたらトイレで考え事をすることが多いのかなと思ったんです。他と空間を変えて脳をリフレッシュできるのではないかと。情熱的な色で目が覚めるし、いいアイデアが出るんじゃないかということで赤が採用されました。考えてみたらお客さんも使うのに(笑)。
入口の倉庫にも面白いエピソードがあります。ここは元々入居時はタイルカーペットが敷き詰められていたため、ここを出る時にまたそれを返さないといけないということで、保管場所が問題になったんです。そこで、それじゃあ入口にそれ専用の倉庫を作ったらいいじゃないかということになったんです。それで最後の最後に作りました。開けた先に広い空間がありそうな雰囲気ですけれど、実際奥行きは45センチぐらいしかありません(笑)。一つ一つに面白いエピソードがたくさんあって、出来上がっていくのが非常に楽しかったですね。今も進行形ですけれどね。

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企業情報
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  • 会社名 株式会社ツートン(TWOTONE INC.)
    URL http://www.twotone.jp/
    設立 2010年4月
    代表者 茂出木 龍太
    上場区分
    住所 東京都渋谷区恵比寿南 3-9-23 ウィスタリアン恵比寿2F
    最寄駅 東急東横線 代官山駅
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