親会社のフリービットグループを含め、IT企業が数多くテナントとして入るE・スペースタワービル。8階のエレベーターを降りると、フルスピード社の凛としたエントランスが目に飛び込む。左右対称のウエイティングスペースが、黒の壁によって、額縁効果でさらに引き締まって見える。
同社の照明は、エントランスからミーティングスペースまで、スポットライトが多用されていて、上質さを醸している。来客は、この半円形のエリアでアポイントの相手担当者を待つことになる。
「白×黒」は創業以来のコーポレートカラー。2012年7月、現在のE・スペースタワービルに入る際にブランディングの再構築をし、ロゴや意匠デザインの刷新を図って以前よりシャープな印象に変更。SEO会社からアドテクカンパニーへの進化を象徴するものとなった。
仕切りを外せば30~40人が一同に会せる「China」「Hong Kong」と名付けられた会議室は、社内外のセミナー・勉強会に使われる。ネーミングは、アジアでビジネス展開していく方針を象徴したもの。実際、オフィス移転した2012年には中国・上海に現地法人を設立。2017年1月には初のオフショア開発拠点をフィリピン セブ島に設けた
来客や少人数の社内会議に用いられる会議室「Japan」。テレビモニターやパソコンなどが備え付けられ、資料閲覧やテレビ会議も可能。8階という高層階からの渋谷の街の眺めは爽快。暗くなってからの夜景も目を楽しませてくれるそう。
一番奥まった場所に位置する会議室「Executive」では、文字どおり、経営マターの会議や重要な来客対応が行われる。そのほか、社長室を設けず、一般社員とデスクを並べている友松社長が集中して思索にふける際にも用いられるとか。
社員が自己成長のために購入した書籍には補助金が支給されるのに加え、社員の持ち寄りによる社内図書館がリフレッシュスペースに設置されている。古今のビジネス書やエンジニア向けのテクニカルな専門書など幅広い。この場で閲覧できるほか、バーコードを読み込む図書館アプリで管理されているので貸し出しも可能。
休憩や飲食のための「リフレッシュスペース」。安価な設定の自販機やオフィスグリコは、仕事の合間にはありがたいもの。社内イベントの写真が張り出され、サークル活動やちょっとした勉強会、習い事などを呼びかける掲示コーナーもあり、コミュニケーションの活性化にも役立てられている。
カウンターでもテーブルでも、空いていれば誰でも使えるスペースなので、食事や休憩以外にも、タブレット持参で少人数での打ち合わせに使われることも多い。エンジニアが集中して作業に当たっていることも。
月刊の社内報「VOICE」はA4・オールカラー・4ページ。1年目の人事担当者が一人で企画・取材・デザイン・制作までを行っている。毎月表彰されるMVPからのコメントなども含め、とにかく社員の顔写真が満載で、ライブ感あふれる誌面が印象的。