株式会社フォーイット プロダクト・ディベロップメント部
部長 渡部 陽介氏(左)
リーダー 山岡 和樹氏(中)
マネージャー 山田 良一氏(右)
インターネット業界でもすでにメジャーな仕組みとなった成果報酬型広告、アフィリエイト。
その中でも老舗プラットフォームと言えるのが、株式会社フォーイットが運営するafb(旧サービス名:アフィリエイトB)である。すでにサービス開始10周年を迎え、登録サイト数も50万を突破している。今回は、広告配信の仕組みから管理画面まで制作している現場の開発メンバーにインタビューさせていただいた。
開発体制の現状とやサービスの特徴
— みなさんの担当業務について簡単に教えていただけますか。
渡部:開発、制作系のメンバー全員を部長としてまとめています。ただ実務も行なっています。いわゆるプレイングマネージャーとしてのポジションです。
山岡:デザインチームのリーダーをしています。自社サービスであるafbのデザインやUI、企画ページの制作などを行なっています。事業会社のデザインチームという位置付けなので、サイトだけではなく企業ロゴも含めたデザイン系を全般的に担当しています。
山田:プロダクト・ディベロップメント部でサーバーインフラやネットワークの管理を行なっています。社内のシステムや情シスの仕事も兼務していますが、そっちが忙しくてなかなか最近は開発の方にまで手が回っていません。
— チームごとの連携はどのように取られていますか。また課題などを教えてください。
山岡:開発とデザインの間は今の組織規模だと明確な境界線があるわけではないので、特に問題なく連携を取れています。開発側はデザイナーやフロント側のエンジニアが業務を進めやすいように、技術選定のところから気を配ってくれますね。今の数倍の規模になってくるともっと明確に役割分担をしないとうまく行かないだろう、とは感じています。
渡部:仕様を決める側と開発側の連携で一番問題になるのは、やはりスケジュール管理ですね。自社開発といってもお客様の要件に合わせた個別案件なども多いので、タスクが増えてきて、かつ直前の仕様変更が入ったりすると、単純に期間でこなさなければいけない作業ボリュームが一気に増えるのでやはり大変です。キャンペーンなどの納期をずらせないものもありますので。ただ、前提としてはクライアント様ありきのサービスですから、それが最優先であるのは変わりません。
細かい課題は色々とありつつも、今の組織規模では調整ができる範囲に収まっている、という温度感です。
— サービスの技術的な特徴や選定基準などはありますか?
渡部:サービスのインフラ基盤はデータセンターのオンプレ環境なんです。ゲームなどのようにトラフィックの極端な集中などがあまりないサービスなので、現状では完全にクラウドに移行するよりもコストを抑えることができています。ただし、最近のトレンドも押さえておきたいので、開発用のスモールな再現環境をAWSで構築したりしています。
山田:オンプレのネットワーク周りは私も設計しています。運用監視で担当者に負荷がないような安定したシステムを常に目指しています。
山岡:現在、フロントのマークアップはES6に統一していますが、色々なものを試しつつ、スタンダードをきちんと決めた上で作ることが多いですね。デザイナーの方達が作業を進めやすいものから技術を選定する、というのが基本となっています。
2017年4月に移転したばかりのオフィス
— このオフィスに引っ越されたのは4月ですよね。感想など教えてください。
渡部:デザイン性が高く、綺麗なオフィスはやはり仕事をしていても気持ちが良いです。ラウンジでの息抜きもでき、執務スペースも広いので使いやすいです。
山田:私の社歴としてはもう8年目になるのですが、今まで5〜6回ほどオフィスを移転しています。オフィスもその都度立派に広くなっていく過程を見ているので会社の成長を感じられて嬉しいです。
山岡:今のオフィスが一番立派ですね。変な意味ではないですが対外的にも「自慢できる」見た目だと思いますし、実用的な設計だと思います。ラウンジも便利ですし、会議室を予約するほどではない、ちょっとした打ち合わせで使える場所があちこちにあるのが一番ありがたいです。
開発体制の強化と採用意欲について
— エンジニアの体制を強化していきたいというニーズについては伺っていますが、どのような人材を求めていますか?
渡部:今までは当社の価値観、働き方、雰囲気に合うかどうかなどを重視してきました。これからはエンジニアとしてチームを引っ張ってきた経験があるなど、実力がある方をやはり求めます。エンジニアとして、インフラからバックエンド、フロント、上流から下流工程まで全て一人でこなせる、というのが理想ではありつつも、その人材の価値をもっとも活かせるような役割分担をしていくことが大事だと思っています。
山田:今急に人が増えて成長している過程なので、役割の明確化が今後必要だと私も思います。「この件については誰に聞けば良い」とか、社内ノウハウの蓄積が明確化されるような仕組みも導入して行きたいです。
山岡:デザイナーについてですが、今後は尖った才能をお持ちの方も欲しいですね。まず紙と鉛筆からデザインを決めていく、みたいな方とか。サイトのデザインだけではなく、色々なニーズに対してベストなアウトプットを出すためには、やはり色々な才能を組み合わせて行ける、引き出しの多いチームが理想だと思っています。
渡部:当社の開発体制はこれから拡大させて行くことになります。先ほどもお話しましたように、幅広い技術と工程を当社ではこなすことができます。色々な技術に挑戦したい方、すでに経験を積まれていてさらに成長する組織の推進力になるような方を募集しております。
編集後記
インタビュー中、こちらからの質問に対して、整理された回答がすぐに返ってくる。全員、語り口は穏やかで淡々としているが、互いに気を配って話されており「成熟して落ち着いた雰囲気の組織」というイメージを持った。また、回答の大部分について全員の認識がそろっていたのが印象的だった。
職域や技術の幅を広げたいエンジニアにとっては、新しいことに腰を据えてじっくり取り組んでいける絶好の環境ではないだろうか。