今や私たちの生活において必要不可欠なツールへと成長し、一人に一台が当たり前となっている携帯電話。進化し続けるこのモバイル業界において、KDDIが提供するauスマートパスを始め、広告事業やメディアプロデュース事業他、様々な新規事業を展開し、「企業とユーザーをつなぐ」サービスを提供している『株式会社mediba』。広告主、媒体社、サービスを利用するエンドユーザーすべての人へ、「HAPPYを届けること」を使命としている同社では、世界中で営まれる様々な生活を想像し、社員一人ひとりが「幸せ」を生み出すために挑戦し続けているという。働く上でのモチベーションにも繋がるこの“HAPPY”の原動力となっているオフィス環境とはどのようなものなのだろうか。移転して2年、広報担当者に当時のお話を伺った。
なぜオフィス環境へ投資したのか
同社は、「medibaで働くすべての人が共有すべき価値観」として、「mediba’s CREDO」を定めている。CREDOとはラテン語で「志」「約束」「信条」を意味する言葉であり、<Mission><Vision><Value>という三構成で成り立っている。ビジネスが拡大し企業規模が大きくなるにつれ、つい見失いがちになる会社としての方向性。この方向性を明確にすることで、社員一人ひとりが正確な判断のもと行動ができるように、と掲げられたこのCREDOは、今や同社が今後も成長を続けていく上で欠かせない“価値観”となっている。この価値観を基準とし、様々な取り組みを行う同社がオフィス環境に投資をした理由とは。
広報担当:当社は「ヒトに”HAPPY”を。」をミッションとして掲げ、medibaに関わる全ての人へHAPPYを届けるべく、未来に対応できる新たなサービスを生み出しています。
目まぐるしく進化するデジタル広告市場において、企業が中長期的に成長するためには、社員一人一人が高い感度を張り巡らせ、リスクを恐れずチャレンジすることが非常に大切です。
そこで、事業拡大に伴う移転に合わせ、「もっと創造性豊かな発想が出来るオフィスを作りたい」という社員からの要望も高まっていたので、トップダウンではなく社員主導のプロジェクトを2011年初頭に立ち上げ、2012年8月の移転を目標に、社員のクリエイティブな発想を活況化できるオフィスを構築する運びとなりました。
オフィス環境変革後の変化や反響
「ヒトに“HAPPY”を」をミッションとして掲げる同社は、幸せを届ける側となる社員のモチベーションを保つ環境づくりにも重きをおいている。移転に伴い社員主導のプロジェクトを立ち上げ、大きなオフィス環境変革を行った同社のその後の反響とは。
広報担当:移転後、社員のクリエイティブな発想は活況化したと思います。また、たくさんの緑を配置したことで、リラックスして仕事に取り組むことができるようになりました。
都庁、東京タワー、スカイツリー、富士山といった絶景が臨めるガラス張りのワークエリアは、来訪者の方にも好評です。その他、社外フリースペースは、クライアントを招いてのイベントやパーティにも活用しています。オフィスへの投資が社員の働き方やモチベーションに好影響を与えるだけでなく、来訪者へのインパクトという点でも確実に効果を実感しています。
コンセプトに込められた強い想い
オフィス改革に伴い、社員主導のプロジェクトを立ち上げた同社。メンバー一丸となって、社員一人一人の意見に出来る限り耳を傾け、設計事務所や家具デザイナーとのディスカッションも何十回と繰り返したという。その努力の結晶はオフィス空間のあらゆる場所で具現化されており、社員のクリエイティブな発想を促す空間づくりが成されているという。そんなオフィス空間のこだわりのポイントを伺った。
広報担当:コンセプトは「クリエイティブファーム」。畑や農場が生命力あふれる農作物を作り出すように、クリエイティブな商品やビジネスを生み出せるようにと願いを込めたオフィスです。medibaが展開するビジネスは、webやモバイル上での最新テクノロジーを駆使した広告など「先進」「先鋭」なものですが、そこには人と人とを繋ぐコミュニケ―ションが存在します。そこで、渋谷という大都市に居ながら、観葉植物、自然の温かみのある素材やモチーフを使い、先進的なデザインと調和させたオフィスを目指しました。
オフィス内にはランドマーク(山・雲・太陽・月など)がシンボリックに配置され、カーペットも四季を象徴するようなパッチワークになっており、大量の観葉植物の配置も含め、まさに「クリエイティブファーム」を体現した環境としたことがポイントです。オリジナリティを追求した特注テーブルや椅子のデザインについても、こだわり抜いています。
また、風通しの良さを大切にしている為、壁で区切られたオフィスという閉鎖的な空間から、コミュニケーションを妨げるものを極力取り払い、見晴らしを良くした執務スペースを実現しています。役員と社員間のコミュニケーションを高める為、役員専用の個室の代わりに、役員席そのものにオープンなミーティングスペースも設けました。こういったオフィスのオープン化によって、業務の可視化や柔軟なコミュニケーションが育むスピード感を目指したのです。
その他、社員の強い要望で、被災地支援の一環となる石巻工房の家具も取り入れました。プラスチックやコンクリートといった無機質なものと違った天然木ならではの独特の風合いは、リラックス効果を与えてくれています。
今後取り組みたいオフィス環境づくり
同社が定める「mediba’s CREDO」の<Value>には、「スマイル&ポジティブ」という言葉と共に6つの指針が掲げられている。その指針からは、どんな時も“真っ直ぐであれ”という隠れたメッセージが伝わってくるようにも思える。また、<Vision>の中では「広告業界で日本一従業員満足度の高い会社を目指します。」とも謳っており、会社として常に社員のことを考えていることが窺える。そんな同社に今後取り組みたいオフィス環境づくりについて伺った。
広報担当:移転して2年が経過しましたが「クリエイティブファーム」は進化を続けています。たとえば、昨年導入したアロマディフューザーは、リラクゼーション効果や頭をすっきりとさせ自然の香りをオフィス内でも楽しむことが出来ます。オフィスは社員が人生の大半の時間を費やす空間。そこで過ごす社員が気持ちよく過ごせるよう、今後もカスタマイズを加え、より快適な空間を作って行きたいと思います。
Pick Up “ここが、medibaらしさ“
■とにかくユニークなイベントの数々
「ヒトに“HAPPY”を」をミッションとして掲げる同社では、HAPPYを届ける側となる社員のモチベーションを高めるべく、他に類を見ない、とにかくユニークなイベントが多数行われている。
・mediba参観日:mediba社員の家族にも、もっとmedibaのことを知ってもらおうということで行われた家族招待イベント。社内を楽しく観覧してもらうため、手作り感あふれるPOPや各事業部の説明シート、社内報などを並べると同時に、子供にも楽しんでもらえるよう、スーパーボールすくいやかき氷コーナーなども設置。30組合計90名を超える家族が参加し、大盛況だったという。
・medibaオールスター感謝祭:「社員にHAPPYを!」を合言葉に、上司が部下に精一杯の「おもてなし」を披露するスペシャルイベント。役員・本部長・部長陣ら“medibaオールスター”がチームに分かれて、全力で社員へのおもてなしを披露するこのイベントでは、1人1票の投票権が与えられ、最も多くの票数を集めたチームには「おもてなしマイスター」の称号が与えられるのだという。
・mediba ideathom: medibaの未来を担う新規事業案を全従業員から募集する社内アイデアコンペ。定期的に行われており、ここから新たなmedibaのサービスが生まれるという。
■なんでも質問箱
同社では、社員が経営陣に対して直接相談や疑問を投げかけることができる「なんでも質問箱」というコミュニケーション施策が行われている。会議室兼休憩スペースに入ると置いてある赤いポストに、質問内容と質問に至った理由を書いて投函すると、後日経営陣からその質問に対する返事が社内SNSを通して返ってくるのだという。開始当初は投函数も少なかったようだが、今ではしっかりと活用され、社員と会社を繋ぐ一つのコミュニケーションツールになっているという。