溜池山王駅に直結する、山王ホテルの跡地に建設された山王パークタワーは、日枝神社、総理官邸と隣接する超高層ビル。その7階のワンフロアにオフィスを構える 『株式会社アイレップ』 は、1997年11月に設立。2006年11月にはJASDAQ上場を果たし(現在東証2部)、現在ではデジタルマーケティングエージェンシーとして業界を牽引している。また、「事業を通して、人々の生活を豊かにしたい」ということを企業の存在意義として掲げると共に、「ユーザーとクライアント企業、双方のお客様へと真摯に向き合うこと」を最も重んじ、売上金額での評価は一切せず、あくまでクライアント目線で物事を考え、プロとして目に見える成果で応えていくことを徹底している。
2012年に現在のオフィスへ移転した同社のオフィス環境に対する取り組みについて、広報・販促グループの小泉由貴子氏にお話を伺った。
なぜオフィス環境に投資したのか
2012年2月の本社移転と共にCI変更を遂げ、イメージを一新した同社。同社の大きな改革時期に伴い、立ち上がった移転プロジェクトの経緯とはどのようなものだったのか。
小泉氏:以前のオフィスは人員増加のためフロアがいくつかに分かれてしまっていたので、統一感を出すためにワンフロアにしようということで、移転の運びとなりました。そこで総務だけでなく、情報システムなど色々なチームから人を集めてプロジェクトチームを立ち上げました。そこからそれぞれの要望を引き上げてまとめ、最終的な設計はコンペで選んでいます。
場所に関しては、インターネット関連企業は六本木がある港区や渋谷などに多いのですが、外部のクライアント様やパートナー様にいらして頂く立地面と、土地柄も考慮して首相官邸などもある千代田区というロケーションを選びました。
また、震災後に移転となったため耐震面の強化や、クライアントのデータも取り扱う会社なのでセキュリティー面での強化が必須条件でした。
オフィス環境変革後の変化や反響
分散されていたフロアからワンフロアへの統合、そして場所の変化もまた会社に大きな影響を及ぼしたという。具体的にどのような変化がみられたのだろうか。
小泉氏:溜池山王駅直結というロケーションも大きく影響しているように思います。敷地内に郵便局やランチをとるお店もありますし、かなり便利になりました。首相官邸に隣接しているので警官が多く、仕事帰りなども安全ですね。また、クライアント様やパートナー様などとの外部やりとりも立地条件が良くなったことによって活性化されたように思います。
オフィスはワンフロアにしたことで、社内コミュニケーションが以前よりも活性化したという声が挙がっています。面積としてはかなり広いのですが、以前の階段移動よりはるかに効率的で、フロアが見渡せるので社員の様子が一目で分かって良いですね。やはり綺麗なオフィスの方が仕事のモチベーションが上がるような気がします。採用面でもプラスに繋がったと思います。
飽きのこないシンプルさにこだわったオフィス空間
高層ビルの7階という立地を生かしつつ、社内の声を吸い上げて創り上げたオフィス空間。具体的にどのようなこだわりがあるのだろうか。
小泉氏:オフィスというのは長く過ごす環境になるため、「飽きが来ない空間」であると共に、「シンプルで明るい空間」が良いということになりました。7階で窓が多いので自然光をできるだけ取り入れ、ガラスを多用したり、床を木目調にしたりと明るさを確保できるようにしています。エントランスも、お客様をお迎えするスペースなのでできるだけシンプルに明るくしました。生花を常に飾っているのですが、こちらは週2回業者の方に来て頂きアレンジを変えて頂いています。また、若い会社なので会議室もガラス張りにして、こちらも明るくカジュアル感を出しました。会議室の名前は全て自然と結びついた名前が付いていて、全て社内公募で決めています。各部屋ごとに室名プレートと時計のデザインも変えています。
そして、今回はリラクゼーションスペースをしっかり確保したこともポイントですね。以前もあったのですが、少し狭くて簡易的だったので、きちんと設けようということになりました。インテリアもこだわって選び、窓側に面してリクライニングチェアも用意しました。また、社内の催し等にも使えるよう、カウンターを設けてさながらカフェのような雰囲気を演出しています。大体一度に40名ほどが使用できるようになっています。
執務スペースの方は一人の幅が調整でき、人員増加にも対応できるので、フリーデスク(固定の片袖机ではないもの)を採用しました。役員ごとの個室を設けず社員の執務スペースと一緒のフロアになっているので、コミュニケーションも取りやすくなっています。かなり開放感がありますね。慣れないと、混ざりすぎて自分がどこの席かわからなくなることもあります(笑)。
今後取り組みたいオフィス環境
人員が増加し、環境的にも変化をし続ける同社が今後取り組みたいオフィス環境像とはどのようなものなのだろうか。
小泉氏:今後は人員も増えてくるので、先のことも視野に入れないと、と考えています。具体的には、リラクゼーションエリアなど執務室以外のスペースをさらに使いやすく活用する環境整備ですね。あとは、グリーンを導入したり、施策を導入したりすることなどを通して、社員が働きやすい環境作りを目指したいところです。
また、本社以外にも拠点が増えていることもあるので、一定の公平性を担保するため、導入する基準や運用ルールなどを定義したり、勤務地による不公平さに差が出ないような配慮もできたらいいなと思います。オフィス環境を整備したり工夫をしたりすることで、“会社からのメッセージ”として社員に浸透していって、結果として「文化」が創り上げられたら…というのが理想ですね。引き続き、今後も広く取り組んでいきたいと思います。
Pick Up “ここが、アイレップらしさ“
■コミュニケーションを目的としたイベントを多数実施
リラクゼーションスペースにて、週一回の「朝食提供」や、月に一度の「ランチイベント」など、コミュニケーション活性化を目的としたイベントを定期的に開催している。新しいメンバーが続々と増えているため、交流会をしたり、プロジェクトの打ち上げなども積極的に行っている。
■手厚い福利厚生
団体保険制度を導入。通常、保険料は給与から天引きされるが、アイレップでは月5千円相当の保険料を会社が全額負担している。こちらは入院、手術の保障などに充てられるとのこと。また、育児休暇、ファミリー休暇(卒業、入学の時期)、配偶者の出産時に5日間の休暇が与えられる等、働きやすさと社員の健康に配慮されている。